結論から言うと、ホームページがいらない飲食店はあります。
制作会社がこう書くのは変かもしれませんが、事実なので先にお伝えします。InstagramとGoogleマップだけで十分回っているお店を、私は何軒も知っています。
ただし、です。この1〜2年で、その前提が大きく変わりました。
「ホームページを作っても意味がない」が正解だった時代は確かにありました。でも今、検索の世界ではゲームチェンジが起きていて、昔の常識のまま止まっているお店ほど、静かに損をし続けています。
この記事では、飲食店の集客メディアを月間30万PVまで育てた経験と、Web制作・SEOに20年関わってきた立場から、「本当にいらないお店」と「いらないと思い込んで損しているお店」の分かれ目を正直に解説します。
ホームページがいらない飲食店の3つの条件
まず正直なところから。次の3つに当てはまるお店は、無理にホームページを作る必要はありません。
- 常連さん中心で、新規のお客さんを必要としていない
住宅街の固定客商売で、席が埋まっているなら、集客の仕組みを増やす理由がありません。 - Instagramのフォロワーがそのまま来店につながっている
ビジュアルが強い業態で、SNS経由の予約が実際に取れているなら、当面はそれで戦えます。 - 席数が少なく、すでに予約で埋まっている
カウンター8席が常に満席のお店に、これ以上の露出は不要です。
逆に言うと、この3つのどれにも当てはまらないのに「うちはいらない」と思っているお店は、この先を読んでください。その判断、数年前の検索環境を前提にしていませんか?
【変化①】Googleが「まとめサイト化」して、お店の公式サイトが上位に来るようになった
数年前まで、「横浜 居酒屋 個室」のようなキーワードで検索すると、1ページ目は食べログ・ぐるなび・ホットペッパーと、まとめ記事でほぼ埋まっていました。
個店がホームページを作っても、検索結果に出てくるのは2ページ目、3ページ目。誰にも見られない。だからこの時代、「ホームページを作っても意味がない」は合理的な判断でした。過去にHPを作って「効果がなかった」と感じたオーナーさんの記憶は、間違っていません。
ところが今、Googleの検索結果そのものが変わっています。
Google自身が「まとめサイト」の役割を担うようになり、検索結果の画面にマップ・写真・口コミ・営業時間を直接表示するようになりました。その結果、間に挟まっていたまとめ記事やポータルの存在感が下がり、お店の公式サイトが検索1ページ目に直接並ぶケースが明らかに増えています。
実際、当社が制作・支援した店舗サイトでは、検索1ページ目に入ったサイトの多くがアクセス数で前年比2倍以上という結果が出ています。サイトの中身を大きく変えたわけではありません。検索結果の「席」の配分が、ポータルから公式サイトへ動いているのです。
つまり、「作っても埋もれる」というホームページ不要論の根拠だった前提そのものが、崩れつつあります。
【変化②】AIでお店を探す人が増えている——ホームページがない店は「AIの回答に存在しない店」になる
もうひとつの大きな変化が、AI検索です。
「横浜で記念日ディナーにいい、個室のあるお店を教えて」——こんなふうにChatGPTやGoogleのAIに聞いてお店を探す人が、確実に増えています。若い世代だけの話ではなく、接待のお店選びをAIに任せるビジネスパーソンも珍しくなくなりました。
ここで重要なのは、AIが回答の根拠にするのは、Web上の構造化された公式情報だということです。
Instagramの投稿は、AIからは非常に拾われにくい情報です。一方、公式サイトに書かれた営業時間・メニュー・個室の詳細・お店のこだわりといったテキスト情報は、AIの回答の引用元になります。
最近「AIO対策(AI最適化)」という言葉を聞くようになりましたが、構造はシンプルです。
- AIOの土台は、SEO(検索エンジンに正しく評価される状態)
- SEOの土台は、Webサイトそのもの
つまり、ホームページがないお店は、AIの回答の中に存在しないお店になります。お客さんの探し方がAIに移れば移るほど、この差は広がります。
そしてこれは、Googleマップ対策(MEO)でも同じことが言えます。Googleビジネスプロフィールと公式サイトの情報が一致していることは、マップの掲載順位に影響する要素のひとつです。マップだけで運用するのは、いわば片翼飛行。公式サイトという「裏付け」があって初めて、マップの評価も安定します。
なぜ「今」がチャンスなのか——周りのお店がまだ動いていないから
ここまで読んで、「じゃあ、いずれ作らないとな」と思った方に、あえてお伝えしたいことがあります。「いずれ」ではなく「今」に意味があります。
理由は単純で、飲食店の多くがまだ「ホームページはいらない」という古い常識のままだからです。競合がまだ動いていない今、検索1ページ目の席が空いています。
SEOの世界は、先に評価を積み上げたサイトが強く、後発の逆転が難しい世界です。だからこそ、ゲームチェンジの過渡期に先に動いたお店が、そのままポジションを取ります。大手ポータルが独占していた席をGoogleが公式サイトに明け渡しつつある今は、個店にとって10年に一度の地殻変動だと私は考えています。
数年後、周りのお店が「やっぱりHPが要るらしい」と気づいて動き始めたとき、先に始めていたお店との差は、簡単には埋まりません。
とはいえ、30万円のホームページは要りません
「じゃあ作ろう」となったとき、次に立ちはだかるのが費用の壁です。制作会社に見積もりを取ると、30万円、50万円という数字が普通に出てきます。
はっきり言います。飲食店のホームページに、そこまでの投資は必要ありません。
お客さんが来店前に確認したいのは、実は次の5つだけです。
- メニューと価格帯
- お店の雰囲気がわかる写真
- 営業時間・定休日
- 場所とアクセス
- 予約の方法(電話・予約リンク)
この5つが正しく載っていて、Googleに正しく読み取られる構造になっていれば、1ページのシンプルなサイトで十分に機能します。AI検索への対策という意味でも、大事なのはページ数や凝ったデザインではなく、情報が整理されて載っていることです。
むしろ、高いお金をかけて作り込んだサイトが、忙しくて更新されずに古い情報のまま放置される——飲食店のホームページで一番よくある失敗はこれです。古い営業時間が載ったサイトは、ないほうがマシなくらいです。
まとめ|「いらない」と言えた時代は、終わりつつある
最後に、ご自身のお店の状況をチェックしてみてください。
- ホームページを作ったのは5年以上前だ(または一度もない)
- 「インスタとマップだけで十分」と思っている
- 自分の店名で検索すると、ポータルサイトが一番上に出てくる
- AI(ChatGPTなど)で自分のお店を調べてみたことがない
- 記念日や接待など「下調べしてから来るお客さん」を増やしたい
2つ以上当てはまったら、そのお店は「ホームページがいらないお店」ではなく、変化に気づいていないだけのお店かもしれません。
冒頭でお伝えした通り、本当にいらないお店もあります。でも、検索とAIの地殻変動が起きている今は、「作るなら一番リターンが大きいタイミング」です。まずは1ページ、正しい構造のサイトを持つこと。それだけで、検索にもマップにもAIにも「存在するお店」になれます。
「写真数枚あれば、あとは約5分の質問に答えるだけ」で作れる飲食店向けの月額制ホームページを、実例つきで公開しています。テンプレートではなくオリジナルデザインです。
まずは実際のサイト例をご覧ください。
