
最近では、どんなお店や会社もインターネットを使って情報を探す人が増えました。特に、近くでお店やサービスを探している人は、「Googleマップ」や「検索」で気になるお店を見つけます。
たとえば、
「横浜 美容室 おしゃれ」
「近くの整体院 評判」
「横浜市 相続相談」
こんなキーワードで検索して、そこで見つけたお店のホームページやGoogleマップの情報を見て「ここに行ってみようかな」と判断します。
つまり、今は「広告を出せば人が来る」時代ではありません。
お客様が“自分から探して”“信頼できるところを選ぶ”時代になっています。
そこで大事になるのが、「コンテンツマーケティング」という考え方です。
コンテンツマーケティングとは、「お客様にとって役立つ情報を発信することで、信頼を得て、選ばれるようになる仕組み」を作るマーケティング施策のことです。
たとえば、こんな内容が「コンテンツ」にあたります。
よくある質問に答える記事(「駐車場はありますか?」「〇〇ってどういう意味ですか?」など)
お店のこだわりを紹介するブログ(「素材にここまでこだわっています」「この道◯年のプロが対応」など)
お客様の声や、実際にあった成功事例を紹介する投稿(「こうして改善されました!」など)
これらの情報は、どれも「読む人のためになる内容」です。
つまり、ただの宣伝ではなく、見てくれた人の“知りたい”や“困った”を助けるものなんです。
たとえばチラシや広告では、「今すぐ買ってください!」「キャンペーン中です!」というように、売り込むメッセージが中心になりますよね。
でもコンテンツマーケティングでは、「こんなことで困っていませんか?」「こうすれば解決できますよ」といった、**“寄り添う姿勢”**がとても大切になります。
お店のことをまったく知らなかった人でも、「この人たちなら信頼できそうだな」と思ってもらえる。
そんな関係を少しずつ築いていくのが、コンテンツマーケティングの役割なのです。
地域で営業しているお店やサービスにとって、コンテンツには3つの大きな役割があります。
「○○市 美容室」「△△駅 司法書士」などの検索にヒットするには、ホームページやブログが必要です。
記事を積み重ねていくことで、Googleで上位に表示されやすくなります(これがSEOと呼ばれる考え方です)。
MEO(マップエンジン最適化)も同じく、検索されたときに上位に出る工夫が必要。
地名やサービス名をしっかり書くことで、見つけてもらいやすくなります。
▶︎ MEO戦略の記事はこちら
検索で複数のお店が出てきたとき、選ばれるかどうかは「信頼できそうか」「自分に合っているか」が決め手になります。
その判断材料が、ホームページに載っている情報の質と内容です。
「どんな人がやってるのか」「どんな雰囲気か」「どんな想いがあるのか」などをきちんと伝えると、「ここなら大丈夫そう」と感じてもらえます。
お客様に一度選ばれた後も、継続して情報を届けることで「また行こう」と思ってもらえます。
ブログで地域イベントの紹介をしたり、新しいメニューやサービスの話をしたりすることで、身近で親しみのある存在になれるのです。
コンテンツマーケティングでは、「自分たちのことを伝える」のではなく、「お客様の役に立つ情報を届ける」ことがとても大切です。
では、地域に根ざしたお店やサービスは、どんな内容を発信すればいいのでしょうか?
ここでは、地域密着型ビジネスにぴったりな発信のアイデアをご紹介します。
お客様が普段感じている「ちょっとした不安」や「これってどうなんだろう?」という疑問に答える記事は、とても喜ばれます。
たとえば…
「子連れで美容室に行くとき、気をつけたいポイント」
「相続の相談は、いつ・どこから始めたらいい?」
「肩こりを少しでもラクにする日常習慣」
「読んでよかった」「助かった」と思ってもらえると、お店やサービスへの信頼につながります。
その道のプロだからこそ伝えられる、小さなヒントやアドバイスも人気です。
たとえば…
「髪が広がる季節におすすめのケア方法」
「整体師が実践している“腰にやさしい座り方”」
「飲食店がこっそり教える、簡単おいしいレシピ」
“売り込み”ではなく、“なるほど!”と思ってもらえる内容がポイントです。
実際に来店した人の声や変化の事例は、読んだ人の背中を押す力があります。
たとえば…
「ずっと悩んでいた腰痛が、通って改善しました」
「子どもの発表会用にお願いした髪型が好評でした」
「自分と同じ悩みの人も来ているんだ」と思ってもらえると、来店や問い合わせにつながりやすくなります。
「どんな人がやっているのか」が分かると、初めての人でも安心できます。
たとえば…
「お客様の笑顔がやりがいです。スタッフ紹介」
「この仕事を選んだ理由と、日々大切にしていること」
お店の“人柄”を感じてもらえるような発信が大切です。
地域イベントへの参加や、地元の人との交流も、信頼につながります。
たとえば…
「○○祭りに出店しました!」
「商店街の清掃活動に参加しました」
地域を大切にしている姿勢が伝わると、「地元の味方」だと感じてもらえます。
地元の暮らしに関わる内容も、「読まれるきっかけ」になります。
たとえば…
「○○駅から行ける子ども向けイベントまとめ」
「雨の日に子どもと行けるおすすめスポット」
すぐに来店に結びつかなくても、「このお店、いいこと発信してるな」と記憶に残ることが大事です。
コンテンツマーケティングは、「自分たちが言いたいこと」を話す場ではありません。
「お客様にとって、今知りたいこと、役立つことは何か?」を考えて発信することが何より大切です。
コンテンツを作るときに、まず考えたいのは「誰に向けて書くか?」ということです。
例をあげてみましょう。
30代の子育て中の主婦
相続に悩む60代の男性
部活でケガをした高校生
など、読む人の立場によって、知りたいことや感じている悩みはまったく違いますよね。
更に同じ「整体院」でも、以下のように色々なタイプの方がいますよね。
子育てで肩こりがつらい人
デスクワークで腰痛に悩む人
スポーツを頑張る学生さん
それぞれに、かけてあげたい言葉やアドバイスが違ってきます。
このように「どんな人に向けて書くか」を決めることを、ターゲット設定といいます。
ターゲットをしっかり決めておくと、文章の言葉づかいや、写真の選び方、ページ全体の雰囲気までブレずに決められます。
たとえるなら、「誰かに手紙を書く」ときと同じです。
相手が決まっていれば、「どんな言葉で、何を伝えようかな?」と自然に考えられますよね。
逆に、相手がぼんやりしていると、内容もぼやけてしまって、結局誰にも届かない文章になってしまうのです。
だからこそ、「伝えたい相手」を最初にしっかり決めることが、コンテンツづくりでいちばん大切なポイントなんです。
詳しくは、こちらの記事でもくわしく解説しています。
▶︎ なぜターゲット設定が必要なのか?
理想のお客様を思い浮かべる
→ 誰に届けたいのかをイメージします
よくある質問・悩みをリストアップ
→ お客様が聞いてくる内容などがヒントです
自社の強み・こだわりを言葉にする
→ 「他と違うポイント」を見つけましょう
記事や投稿にまとめて発信する
→ まずは月1回の更新を目指してみてください
アクセス解析で改善していく
→ どの記事がよく読まれているかをチェック
→ 誰に向けて何を伝えるのか?が決まっていないと効果が出ません。
→ 「ここってもう閉店してる?」と不安に思われてしまうことも。更新は大切です。
→ 毎月1本でもOK。社内で「誰がいつ書くか」を決めて、無理なく続けましょう。
コンテンツマーケティングは、特別な技術や大きな予算がなくても始められる「地に足のついた集客方法」です。広告に頼らず、「あなたのお店のことをよく知ってもらう」ことで、自然にお客様に選ばれるようになります。
まずは、今のお客様の声や、よく聞かれる質問から、ブログ1本を書いてみましょう。
それが信頼への第一歩になります。