施工実績は十分にあるのに、ホームページの施工事例ページには数枚の写真と一言コメントしかない——工務店のホームページでよく見かける状態です。実際の技術力とホームページで伝わっている印象に、大きなギャップが生まれてしまっています。
この記事では、施工事例ページの構成と、説得力のある写真の撮り方・見せ方について解説します。施工事例ページも含めたホームページ全体の考え方は建設業・工務店のホームページが受注につながる理由でも解説していますので、あわせてご覧ください。
施工事例ページに求められる役割
新築やリフォームは金額が大きく、依頼者は複数の会社の施工事例を見比べたうえで判断します。施工事例ページは、単なる作品集ではなく「この会社に頼めば、こういう仕上がりになる」という具体的なイメージを伝える、比較検討の中心的な材料です。
技術力があっても、それを伝える手段が整っていなければ、依頼者には伝わりません。施工事例ページは、現場の実力をそのままホームページ上の信頼に変換する役割を担っています。
施工事例ページの基本構成
一覧ページと詳細ページを分ける
すべての事例をトップページに詰め込むのではなく、まずはサムネイル一覧で興味を持ってもらい、気になった事例の詳細ページで深く知ってもらう構成が基本です。一覧ページでは、家のタイプや工事内容がひと目で分かるようにしておきましょう。
フィルターやカテゴリで探しやすくする
事例数が増えてきたら、「新築」「リフォーム」「地域」などでフィルターをかけられるようにしておくと、依頼者は自分に近い条件の事例を探しやすくなります。事例が少ないうちは無理に導入する必要はなく、増えてきたタイミングで検討すれば十分です。
Before/Afterの見せ方
撮影アングルを揃える
リフォームのBefore/Afterでは、施工前と施工後をできるだけ同じアングル・同じ距離感で撮影することが重要です。アングルがずれていると、比較しにくいだけでなく、写真自体の説得力も下がってしまいます。可能であれば、施工前の段階で「この角度で施工後も撮る」と決めてから撮影に臨みましょう。
照明条件を意識する
施工前は薄暗い時間帯、施工後は明るい時間帯に撮影してしまうと、実際の変化以上に見栄えが良くなってしまい、かえって不自然な印象を与えることがあります。同じ時間帯・同じ照明条件で撮影することを心がけましょう。
現場写真の撮影ポイント
全体像とディテールの両方を残す
部屋全体が分かる引きの写真だけでなく、こだわった素材や造作部分のディテールが分かる写真もあわせて残しておきましょう。依頼者は全体の雰囲気だけでなく、細部の仕上がりも重視して比較検討しています。
生活のシーンが想像できる写真を心がける
誰もいない空間の写真だけでは、そこでの暮らしをイメージしにくいことがあります。家具を配置した状態や、可能であれば実際に生活する家族の様子が伝わる写真を用意すると、依頼者が自分の暮らしと重ねてイメージしやすくなります。写真は多いほど良いですが、1枚からでも掲載は可能です。まずは手元にある写真から少しずつ増やしていく進め方でも問題ありません。
撮影機材とタイミングの工夫
特別な機材は必須ではない
一眼レフやドローンがあれば表現の幅は広がりますが、必須ではありません。スマートフォンのカメラでも、アングルと照明を意識するだけで十分に説得力のある写真になります。まずは今使える機材から始めてみましょう。
晴れた日の撮影を優先する
外観写真は特に天候の影響を受けやすく、曇天や雨天では建物の魅力が伝わりにくくなります。可能であれば、施工完了後の晴れた日を選んで撮影の時間を確保しておくと、より魅力的な写真に仕上がります。
施工事例の文章で伝えたいこと
依頼者の要望と、それにどう応えたかを書く
「延べ床面積◯坪」といったスペック情報だけでなく、「収納が少なくて困っていた」「家族が集まれるリビングにしたかった」といった依頼者の要望と、それに対してどんな提案・工夫をしたのかを文章で説明しましょう。同じような悩みを持つ読者が、自分ごととして読みやすくなります。
工期や費用の目安を添える
可能であれば、その事例のおおよその工期や費用帯を添えておくと、依頼者が自分の予算・スケジュール感と照らし合わせやすくなります。金額を出しにくい場合は、「◯◯万円台」のような幅を持たせた表現でも構いません。
施工事例ページの傾向
写真の枚数が多いだけの施工事例ページより、要望と工夫の文章がセットになった事例のほうが、問い合わせ時の会話がスムーズに進むという声をよく聞きます。写真だけでは伝わらない「なぜその提案をしたのか」という部分こそ、依頼者が本当に知りたい情報であることが多いようです。
施工事例が少ない場合の進め方
創業間もない、あるいはリニューアルしたばかりで事例数が少ない場合は、無理に数を揃えようとせず、今ある事例を丁寧に見せることを優先しましょう。1件でも、要望・工夫・仕上がりが具体的に伝わる事例のほうが、数だけ多く内容の薄い事例よりも信頼につながります。問い合わせにつながる訴求の工夫については工務店ホームページで資料請求・見積もり依頼を増やす方法でも解説しています。
新築とリフォームで見せ方は変わる
注文住宅を中心とする場合とリフォームを中心とする場合とでは、施工事例で見せるべきポイントが異なります。それぞれの違いについては注文住宅・リフォーム会社のホームページ、業態別の作り方の違いで詳しく解説しています。
よくある質問
Q. プロのカメラマンに撮影を依頼すべきですか?
A. 予算に余裕があれば依頼する価値はありますが、必須ではありません。アングルや照明を意識するだけでも、スマートフォンでの撮影で十分に説得力のある写真になります。
Q. 施主の許可が必要な写真はありますか?
A. はい。個人宅の外観や内観を掲載する場合は、事前に施主の許可を得ておく必要があります。契約時に掲載可否を確認しておくとスムーズです。
Q. 施工事例は何件くらい掲載すればいいですか?
A. 件数の目安はありませんが、依頼したい業態(新築・リフォームなど)ごとに数件ずつ揃っていると、依頼者が自分に近い事例を見つけやすくなります。
Q. 古い施工事例は削除すべきですか?
A. 極端に古いものは最新の傾向と合わない場合がありますが、実績の厚みを示す意味でも、時期を明記したうえで残しておいて問題ありません。
まとめ
施工事例ページは、写真のアングル・照明・文章の書き方を意識するだけで、伝わる説得力が大きく変わります。まずは今ある写真から、要望と工夫が伝わる形で整理してみましょう。
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