
インターネットやSNSが当たり前になった今、企業やお店が自分たちで情報を発信する時代になっています。その中で「オウンドメディア(Owned Media)」という言葉が注目されています。
オウンドメディアとは、自分たちの持っているメディアのこと。たとえば、自社で運営するブログやコラムページ、情報発信をするホームページなどがそれにあたります。
これまでは広告を出したり、他のメディアに紹介してもらったりすることが多かったですが、今では「自分たちの声を、自分たちで伝える」ことが大切になっています。なぜなら、情報を探しているお客さんは、自分に合ったお店や会社を、自分のペースで選びたいと思っているからです。
このような背景から、オウンドメディアは「信頼をつくる場」「選ばれる理由を伝える場」として注目されているのです。
広告というのは、たとえば「今だけ割引!」「予約はこちらから!」など、“今すぐ買ってもらう”ためのアピールが中心です。お金を払えば、いろんな人に一気に届けることができますが、その効果は一時的です。
一方、オウンドメディアは、自分たちのホームページやブログなどを使って、役立つ情報やストーリーを伝える場所。たとえば、「お手入れのコツ」「初めての方がよく不安に思うこと」など、相手の役に立つ内容を発信します。
広告が「その場で買ってもらう」ためのものなら、オウンドメディアは「信頼してもらって、あとで選ばれる」ためのもの。すぐに効果が出るわけではないけれど、コツコツ続けることで大きな成果になるのが違いです。
SNS(InstagramやXなど)は、「気軽に発信できて、たくさんの人に届く」のが強みです。写真や短い文章で「今」の様子を伝えたり、イベントのお知らせをしたりできます。
でも、SNSは情報がすぐ流れてしまうのが特徴です。
昨日の投稿は、もう誰も見ていないかもしれません。
それに比べて、オウンドメディアで発信した内容はずっと残ります。
たとえば1年前に書いた記事が、今も検索で見られている、なんてこともよくあります。
SNSは「今この瞬間に見てもらう」もの、
オウンドメディアは「時間がたっても価値がある」もの、
というふうに、それぞれの役割が違うんです。
だからこそ、SNSとオウンドメディアを上手に使い分けることが大切になります。
オウンドメディアは、よく「育てるメディア」「資産になるメディア」と言われます。たとえば、ひとつひとつ丁寧に書いたブログ記事は、あなたの会社やお店の“財産”になります。
最初はなかなか見てもらえなくても、記事を重ねていくことで以下のようになります。
これはまるで、畑にタネをまいて、水やりをして、大切に育てていくようなもの。時間はかかるけれど、育てれば育てるほど価値が増す。そんな資産型の考え方が、オウンドメディアにはぴったりです。
オウンドメディアとは、「自分たちの会社やお店が、自分たちで運営・管理しているメディア(情報発信の場所)」のことです。たとえば、自社のブログや、ブランドの公式サイト、採用専用のページなども全部オウンドメディアに含まれます。
発信する内容や目的によって、いくつかのタイプに分かれます。
自社ブログ型
商品やサービスの紹介、よくある質問の解説、使い方のコツなどを、記事にして発信するタイプです。
ブランドサイト型
ブランドの世界観やストーリーを伝えるサイト。高級品やこだわりのある商品に多く見られます。
メディア型サイト
情報や読み物がたくさん集まっていて、「読まれること」が目的になっているタイプ。読みごたえのある記事が多いです。
採用メディア型
会社の雰囲気や働く人の声を伝える、採用に特化したサイトです。求職者に「ここで働きたい」と思ってもらうためのものです。
どれも「自社で運営することで、自分たちの“らしさ”を伝えられる」のが大きな特徴です。
オウンドメディアは、「ペイド」「アーンド」「オウンド」の3つのメディア戦略(トリプルメディア)のひとつとされています。
この3つの関係をざっくり説明します。
メディアの種類 | 具体例 | 特徴 |
---|---|---|
ペイドメディア(Paid) | 広告(Google広告、SNS広告など) | お金を払って見てもらう |
アーンドメディア(Earned) | SNSの口コミ、レビュー、紹介記事 | 第三者に紹介してもらう |
オウンドメディア(Owned) | 自社サイト、ブログ、採用ページなど | 自分たちで育てていく |
それぞれに役割がありますが、オウンドメディアは「土台」として、他の2つを支える存在です。たとえば、広告(ペイド)から来た人が、信頼できるオウンドメディアを読んで納得し、SNSで紹介してくれる(アーンド)という流れも期待できます。
オウンドメディアは、ただ記事を書く場所ではありません。実は、会社やお店のいろいろな目的にあわせて、とても便利に使えるんです。ここでは、オウンドメディアの5つの使い方を紹介します。
① お客様を増やすために使う(=集客)
「お店をもっと知ってもらいたい」「サービスに興味を持ってほしい」というときに、オウンドメディアはとても役立ちます。
たとえば、
こうした記事がネット検索で見つかりやすくなり、興味を持った人がホームページを見て、問い合わせや来店につながる流れをつくれます。これが「SEOで集客する」というやり方です。
② 採用(仲間集め)に使う
「この会社で働いてみたい」と思ってもらうには、会社の雰囲気や考え方が伝わることが大切です。
オウンドメディアでは、
などを発信することで、「ここで働きたい!」と思ってくれる人と出会いやすくなります。
③ 自社の“らしさ”を伝える(=ブランディング)
他のお店や会社と差をつけるには、「この会社らしいな」という印象を持ってもらうことが重要です。
たとえば、
などを発信することで、ただの情報ではなく、「ファンになってもらう」ことができます。これを「ブランディング」といいます。
④ すでにいるお客様ともつながる(=教育・サポート)
オウンドメディアは、新しいお客様だけでなく、すでに関係のあるお客様との信頼づくりにも使えます。
たとえば、
などを発信することで、「この会社はちゃんと考えてくれている」と思ってもらえ、長い付き合いにつながります。
⑤ 営業活動のサポートとして使う
営業担当の人が説明に使う資料としても、オウンドメディアの記事は役立ちます。
たとえば、
などを営業トークの代わりに使えば、説明の手間が省けたり、信頼感を高めたりすることができます。
昔は広告を出せば、それだけで商品やサービスが売れる時代がありました。でも今は、広告を見る人も「本当にいいのかな?」と、よく調べてから判断するようになっています。
しかも、ネット広告の費用はどんどん高くなっていて、中小企業や地域のお店には負担が大きくなりがち。お金をかけても、見てもらえるとは限らないのが現実です。
その点、オウンドメディアは広告費をかけずに、自分たちでじっくり育てていける手段。積み重ねるほど「信頼される資産」になっていきます。
SNSは手軽に投稿できて、たくさんの人に届けられるのが魅力です。でも、情報が流れていくスピードが早く、ちゃんと読まれる時間が短いという面もあります。
一方、オウンドメディアの記事は、いつ読まれても内容が伝わる「ストック型の情報」。しっかり書いた記事は、SNSでは伝えきれない「想いやこだわり」を伝えられます。
SNSは「きっかけ作り」、オウンドメディアは「関係づくり」に向いています。
今の時代、お店やサービスを利用する前に、ネットで調べるのが当たり前になりました。
「どんなサービスかな?」「口コミはどうかな?」「安心して頼めそうかな?」
そんなふうに調べる人に向けて、必要な情報をしっかり届けられるのがオウンドメディアの強みです。
検索に引っかかるように工夫すれば、知らなかった人にも見つけてもらえるチャンスになります。
オウンドメディアで書いた記事は、SEO(検索エンジン対策)にもつながります。検索で上位に出れば、新しいお客さんと出会える確率がぐっと高まります。
また、MEO(マップ検索対策)と連携させれば、「近くでいいお店を探している人」にも見つけてもらえるようになります。たとえば美容室や整体、士業、飲食店、教室など、地域密着型のビジネスにとっては、MEOは特に相性が良い組み合わせです。
このように、オウンドメディアは「広告だけに頼らず、じっくり信頼を育てたい」と思っているお店や企業にとって、とても注目されている手段なのです。
オウンドメディアは、とても便利な「情報発信の道具」ですが、いいところばかりではありません。ここでは、メリット(いいところ)と、デメリット(注意するところ)の両方を見ていきましょう。
まずはメリットから紹介していきます。
SNSや広告だと、文字数の制限があったり、ルールがあったりして「言いたいことが全部言えない」と感じることもありますよね。でも、オウンドメディアなら、誰にも気をつかわずに、自分たちの言葉でしっかり伝えることができます。写真もレイアウトも自由なので、ブランドやお店の“らしさ”を出しやすいのも魅力です。
広告やSNSの投稿は、出して終わり…ということが多いですが、オウンドメディアで書いた記事は、ずっとWeb上に残ります。たとえば、1年前に書いた「よくある質問に答える記事」が、今も検索されて読まれていることもあります。時間がたっても、ずっとお客さんとつながれるのが、大きなメリットです。
オウンドメディアでは、お店のこだわりや、スタッフの想い、過去のお客様の声などをじっくり紹介できます。こうした「売り込みじゃない情報」を見た人は、「ここなら安心して相談できそう」と感じてくれるようになります。信頼を積み重ねることで、「いつかお願いしよう」という気持ちを育てることができるのです。
SEO(検索エンジン対策)や、MEO(Googleマップの表示対策)といった集客方法とも、オウンドメディアはとても相性が良いです。役立つ情報がたくさんあるホームページは、Googleにも評価されやすく、検索の上位に出やすくなります。また、Googleマップの情報にもリンクできるため、地域のお客さんとの接点が増えます。
関連記事:「ローカルビジネスにこそ効くMEO戦略の本質」
関連記事:「成果を出すMEO運用|基本と本質の実践ポイント」
続いてデメリットを説明します。
オウンドメディアは、「作ったからすぐ集客できる!」というものではありません。
コツコツ続けて、少しずつ信頼と実績を積み重ねていくスタイルです。
たとえば、はじめのうちは誰も見てくれない日が続くかもしれません。
でも、あきらめずに続けることで、大きな成果につながっていきます。
「記事を書く」「写真を撮る」「サイトを整える」など、
オウンドメディアの運用には、ある程度の作業時間や知識が必要です。
本業が忙しい中で、これを社内で全部やろうとすると、だんだん大変になってきます。
その場合は、「テーマ設計だけして、記事はプロに任せる」「月に1回だけ更新する」など、無理のない形に工夫することが大切です。
オウンドメディアは、「やった分だけ成果が返ってくる」メディアです。逆に言えば、途中で止まってしまうと、成果が止まってしまうことにもつながります。
継続するためには、
などがポイントになります。
オウンドメディアはとても便利な方法ですが、どんなお店・会社にも合うというわけではありません。ここでは、「オウンドメディアが向いているビジネス」と「そうではないビジネス」の特徴を、わかりやすく紹介していきます。
たとえば、次のような商品・サービスは、お客さんが「どこにしようかな?」とじっくり比べることが多いです。
こういった業種では、オウンドメディアで丁寧に情報を出すことで、信頼されて選ばれやすくなります。
などは、お店や会社の“らしさ”を知ってもらうことが差別化のカギになります。お客さんは、「どんな人がやっているか」「どんな気持ちで運営しているか」を知ると、安心感をもって選んでくれるようになります。
▶︎ 関連記事:「“地域密着型ビジネス”のためのコンテンツマーケティング戦略」
▶︎ 関連記事:「なぜホームページ制作でターゲット設定が必要なのか?」
専門的な知識がある業種や、お客さんの疑問に答えられる内容を発信できる業種は、コンテンツマーケティングの効果が出やすいです。
このように、「役立つ情報=信頼の種」になるビジネスは、オウンドメディアとの相性がとてもいいです。
もちろん、工夫すればどんなビジネスにも活用できますが、以下のような場合は成果が出にくいこともあります。
たとえば、どこでも買える、単価が低い、商品の在庫が極端に少ない、1回買って終わりの商品(例:100円グッズやイベント出店など)だと、じっくり読んでもらうほどの動機が弱いため、オウンドメディアの恩恵を受けにくいです。 こうした場合は、SNSや広告で「気づいてもらう」工夫をメインにした方が効果的なこともあります。
「人が足りない」「書く時間がまったく取れない」など、コンテンツの更新を続けられない場合も要注意です。 この場合は、「まずは1記事だけ書く」「外注して一部を任せる」など、無理のない方法で始める工夫が必要です。
オウンドメディアは、うまく運用すれば大きな成果が出る「育てるメディア」です。でも、間違ったやり方だと、「せっかく作ったのに、見てもらえない…」という残念な結果にもなってしまいます。ここでは、「うまくいくメディアの共通点」と「よくある失敗例」を紹介します。
成功しているメディアは、「この人に読んでほしい!」という相手がちゃんと決まっています。
たとえば:
「誰に向けて書くか」が明確だと、言葉選びや内容がブレません。
その結果、「これは自分のための記事だ!」と読んでもらいやすくなります。
▶︎ 関連記事:「なぜホームページ制作でターゲット設定が必要なのか?」
一度だけ記事を書いて終わりでは、なかなか効果は出ません。
オウンドメディアは“畑”のようなもの。コツコツ育てることが大事です。
継続していることで、「このお店はちゃんとしているな」と信頼感にもつながります。
読んで「なるほど!」「参考になった」と思ってもらえる記事があることが大切です。
ポイント:
ただの宣伝ではなく、“読んだ人のためになる情報”を意識して発信することが、成功の秘訣です。
「みんなに読んでもらいたい」と思って書いた記事は、結局だれにも響かないことが多いです。読む人が「これは自分には関係ない」と感じてしまうと、すぐに離れてしまいます。
「うちの商品はこんなにすごいです!」というアピールばかりでは、読み手の興味を引きにくいです。
人は「自分に関係があるかどうか」で読み続けるかを決めます。
まずは“読み手の困りごと”に寄り添う内容を意識しましょう。
1年前の記事がトップにある…そんな状態では、信頼も下がってしまいます。
「このお店、本当にやってるのかな?」と不安に思われることも。 無理のない頻度で良いので、定期的に更新することが信頼につながります。
非常に多いパターンですが、毎日の出来事を書いているだけの日記になってしまうことも、コンテンツマーケティングとしてはNGです。理由は、読み手のためになる情報を発信することが大事だからです。また、ページ内の文が極端に少ないとSEO的にも評価されません。 ただし、戦略的な日記であればその限りではありません。
例えば、看板犬がいて、ファンも多く、その人たちのために犬の写真を毎日アップする場合は、マーケティングとして成り立ちます。とは言え、この場合はSNSの方が相性が良いですね。
オウンドメディアで発信する内容は、「見てもらいたい人にとって役立つかどうか」がとても大切です。たとえば、あなたのお店や会社に興味を持ってくれそうな人が「知りたいこと」「困っていること」にこたえるような記事を作ると良いでしょう。
以下のような内容が、よく使われます。
読んだ人が「なるほど!」と思える豆知識やコツを紹介する記事です。
例:
美容室なら「自分でできる簡単ヘアアレンジ」
税理士なら「相続でよくある失敗と対策」
売りたい商品やサービスの魅力を、ストーリーや使い方を交えてやさしく紹介します。ポイントは“売り込みすぎない”こと。実際に使った人の声や活用事例を交えると効果的です。
スタッフの紹介や仕事への想い、日々の出来事など、「人となり」が伝わる記事も人気です。信頼されやすくなり、ファンになってくれる人が増えるかもしれません。
お客さんからよく聞かれることをまとめておくと、読んだ人の不安をやわらげることができます。問い合わせ前に読んでもらえれば、やりとりもスムーズになります。
地域密着型のビジネスなら、その街のおすすめスポットやイベント情報を取り上げるのも◎。専門職なら、業界の最新情報や考え方をやさしく解説することで「この会社は詳しいんだ」と思ってもらえます。
ポイントは、「自分たちが伝えたいこと」ではなく、「相手が知りたいこと」から考えること。
まずは、どんな人に見てほしいかを決めて、その人が思わず読みたくなるような記事を作っていきましょう。そうすることで、ただの発信ではなく、「つながりをつくる」コンテンツになります。
オウンドメディアは、ただ記事を出すだけではうまくいきません。しっかりとした流れをふんで、コツコツ育てていくことが大切です。ここでは、運用の基本ステップを4つに分けて紹介します。
まず一番大切なのは、「誰に向けて」「何のために」発信するかを決めることです。
たとえば、美容室なら…
ターゲット:「30代の働く女性」
目的:「初めて来店してもらうきっかけをつくる」
このように、読む人や目指すゴールを最初にハッキリさせることで、内容がぶれにくくなります。ターゲットについてもっと知りたい方はこちらも参考にしてください。
▶︎ なぜターゲット設定が必要なのか?
つぎに、どんな情報をどんな形で発信するか、全体の“作戦”を考えます。
テーマやカテゴリを決める
例:「ヘアケアの豆知識」「よくある質問」「スタッフ紹介」など、どんな話題を取り上げるかを整理します。
キーワードを選ぶ
お客様が検索しそうな言葉(例:「前髪 切りすぎた 直し方」など)を探して、それに合わせた記事を作ると、見つけてもらいやすくなります。実はこの「キーワード選び」が非常に重要になってきます。キーワード選びを間違えると無駄な記事作りになってしまいます。詳しくは次の章で説明します。
ペルソナを作る
ターゲットの中でも、「こんなお客さんが理想!」という一人を思い浮かべて、その人に向けて記事を考えます。
⇒「30代、横浜在住、仕事と育児を両立していて、髪のケアに時間をかけられない女性」など。
コンテンツマップをつくる
テーマごとに、どんな記事を出すか一覧にまとめておくと、抜けや重なりが減り、全体のバランスが良くなります。
いよいよ、記事を作るステップです。
ライティング:読む人が分かりやすい言葉で、ていねいに説明することが大事です。
写真やイラスト:実際のお店や人の写真があると、信頼感がぐんとアップします。
※内製(自分たちで作る)でも、外注(プロに頼む)でもOKですが、「伝えたいことがちゃんと届くか?」を意識して、きちんとしたディレクション(指示や管理)が必要です。
記事を出したら終わり…ではありません。反応を見ながら、少しずつ良くしていくことが大切です。
投稿頻度を保つ
はじめは週1本、慣れてきたら月5〜8本など、無理のないペースでOK。大事なのは「続けること」です。
アクセス解析をしよう
「どの記事がよく読まれているか?」「検索で来てくれた人はどこを見てるか?」などをチェックして、次の改善につなげましょう。
改善ポイントの見つけ方
たとえば「写真が少ない記事は読まれていない」「タイトルが分かりにくいとクリックされない」などの傾向が見つかります。
「どんな記事を書くか」も大事ですが、それと同じくらい大切なのが、「どんなキーワードで書くか」です。お客さんがGoogleでどんな言葉を打ち込むかを想像して、その言葉に合わせて記事を書く。それがキーワード選びの考え方です。「キーワード=悩みや知りたいこと」なので、それに合わせた記事を書く事で役立つ記事になります。
たとえば、
のように、人は「知りたいこと」「困っていること」を、具体的な言葉にして調べます。ただし、キーワードは何でも良いというわけではありません。
キーワード選びを間違えてしまうと、作った記事の時間が無駄になってしまいます。
せっかく記事を書いても、誰にも見てもらえないかもしれません。
例えば「40代 髪型 手入れが楽 ミディアム 夏」というキーワード。
一見、具体的で良さそうなキーワードに見えますが、月間の検索数は『0』です。
つまり、これに合わせた記事を書いても、誰にも見てもらえません。
⬇ 改善案
「夏 涼しい 髪型 ボブ 40代」
こちらのキーワードは、月間の検索数が『20』です。
多くはありませんが、ターゲットが明確なキーワードですし、求めている人がいるキーワードです。
お客様が実際に使う言葉とズレてしまい、検索に引っかからないこともあります。
例:自分では「トリートメント強化」と書いても、お客様は「髪 パサつき 改善」で調べているかも。
有名企業や大手メディアに埋もれてしまい、検索上位に表示されにくいこともあります。
逆に、お客様が実際に検索している言葉=ニーズのあるキーワードを使えば…
つまり、キーワード選定は、「見つけてもらう入口を設計すること」なんです。
どれだけ内容がよくても、探している人に見つけてもらえなければ意味がありません。
この2つをセットで考えることが、オウンドメディアの大事な一歩になります。
お客様の悩みを考える
「どんなことで困っていそう?」「どんな言葉で検索しそう?」をできるだけ具体的に考えます。
実際に検索してみる
Googleでそのキーワードを入れてみて、どんな記事が出てくるか確認します。
似たようなお店の記事が多ければ、それだけニーズがあるということです。
サジェスト(予測変換)を見る
Googleの検索窓に言葉を入れたときに出てくる予測変換(=サジェスト)は、よく検索されている言葉です。これも参考になります。
ツールを使って調べる(初心者でもOK)
無料で使えるキーワードツールもあります。
例)
- ラッコキーワード(https://related-keywords.com/)
- Googleキーワードプランナー(※少し慣れた人向け)
記事を作るときは、選んだキーワードを次のような場所に自然に入れると効果的です。
ただし、「詰め込みすぎ」は逆効果。読みにくくなると、せっかく来てくれた人がすぐ帰ってしまいます。
キーワードは「お客様の気持ち」を知るヒント
「検索される言葉」は、「今まさに誰かが困っていること・知りたいと思っていること」です。
それに対して、「わかりやすく、やさしく答える記事」を作れば、自然と信頼され、選ばれるお店や会社に近づいていきます。
「オウンドメディアをやってみよう!」と思っても、いざ始めようとすると「何から始めればいいの?」「どうやって続ければいいの?」と迷ってしまうかもしれません。
でも大丈夫。いきなり完璧を目指さなくてOKです。
ここでは、ムリなく始められて、長く続けやすいコツを紹介します。
「誰に読んでほしいか?」を考えることが、すべてのスタートです。
たとえば:
この「相手」が決まると、言葉の選び方や伝え方も自然と決まってきます。
「お客さんの顔を思い浮かべる」ことが、いちばんのヒントです。
▶︎ 関連記事:「なぜターゲット設定が必要なのか?」
オウンドメディアは「日記」ではなく「お客さんのためになる情報」を届ける場所です。テーマを決めておくと、内容がブレません。
たとえば:
「読んで役に立った!」と思ってもらえる情報を中心に考えましょう。
「何を書いたらいいか分からない…」というときは、お客さんからよく聞かれることを思い出してみてください。
たとえば:
こうした質問にわかりやすく答える記事を書くことで、同じ疑問を持った人の不安を減らすことができます。
文章を書くのが苦手な場合は、自分の声で話して録音するのもアリです。スマホのメモ機能や録音アプリを使って話すだけでも、意外とスムーズに内容がまとまることもあります。それをあとで文字にすれば、無理なく記事が完成します。
毎回ゼロから考えると大変ですが、ある程度の「型」を決めておくとラクになります。
たとえば:
こうしたテンプレートを作っておけば、スタッフにも任せやすくなります。
せっかく記事を出したなら、「読まれているか?」「どんなキーワードで来ているか?」を知ることも大切です。
Googleアナリティクスやサーチコンソールという無料のツールを使えば、
などを確認できます。
数字を見て「この記事が人気あるんだな」と分かれば、似た内容の記事を増やすなど、次の行動にもつながります。
「毎週1本書こう!」と頑張りすぎて、3回で終わってしまってはもったいないです。
まずは、
など、ムリのないペースでOKです。
「やめないこと」が、いちばんの成果につながります。
オウンドメディアは、単なる「情報発信の場」ではなく、
お客さまとつながり、信頼を育て、選ばれる理由を伝えるための大切な“土台”です。
小さなお店でも、今すぐ始められる
広告に頼らず、自分たちの言葉で価値を伝えられる
継続すれば、集客・採用・信頼づくりまで支えてくれる
大切なのは「誰に、何を、どう伝えるか?」を明確にして、コツコツ積み上げていくこと。
今日からできる一歩として、**「よく聞かれる質問に答える記事を1本書いてみる」**だけでも立派なスタートです。
あなたらしい言葉で、あなたのお客さまに向けたメディアを育ててみませんか?